コラム
更年期のイライラはなぜ起こる? 心の不調を引き起こす原因と対策
更年期障害になると、ホットフラッシュや神経の痛みなど、体にさまざまな変化が現れる女性も多くいらっしゃいます。
しかしその不調や変化は体だけでなく、些細なことでイライラしてしまい怒りが収まらない、気分が落ち込むなど心の不調も引き起こす事があるのです。
今回は、更年期のイライラや気分の落ち込みの原因を、対策方法とあわせてご紹介します。
更年期障害で「イライラ」が出る原因とは
女性は、個人差はあるものの40代になると卵巣機能が衰え始め、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌が徐々に減少していきます。すると脳がこれを察知し、エストロゲンの分泌を促すために性腺刺激ホルモンを放出します。
しかし、性腺刺激ホルモンを出しても卵巣機能が低下しているため、エストロゲンは分泌されません。その結果、脳が混乱して自律神経がコントロールできなくなり、感情のコントロールが上手くできなくなってしまうのです。
また、エストロゲンが減ること自体も、女性の心身バランスに大きな影響を与えます。
エストロゲンには精神を安定させる働きがあるのですが、それが減少することによってイライラや気分の落ち込みなどを招いてしまうのです。
イライラを緩和する対策方法は「心身ケア」にある
普段では気にならないような些細なことや、対人関係でイライラとしてしまう女性は多いもの。更年期障害は自分の意思とは関係なく起こってしまうので、心身のケアをすることが何よりも大切です。
では、イライラや気分の落ち込みを緩和する更年期障害対策方法をご紹介します。
・身体を冷やさない
身体を冷やすと血流なども乱れ、自律神経が余計にコントロールできなくなり、イライラを助長してしまいます。冷たい飲食物や薄着はなるべく控えて、温かい飲食物や防寒グッズで身体を温めましょう。
なお、厚着をしすぎると更年期特有の“のぼせ”を悪化させる恐れがあるため、着込みすぎるのは避けて、脱着しやすい羽織ものやレッグウォーマーなどで上手に調節しましょう。
・アロマで気持ちを高揚させる
良い香りは脳に伝わって心身を深くリラックスさせてくれるため、イライラや気分の落ち込みの緩和に効果的です。
精神的な疲労を感じた時はラベンダー、ホルモンバランスを整えたい時はゼラニウムやローズの香りがおすすめですよ。
・朝は太陽の光を浴びる
朝に太陽の光を浴びると、ストレスを抑制するセロトニンの分泌が活発になり、イライラの予防につながります。朝はなるべく早く起き、太陽の光を浴びながらウォーキングやラジオ体操などを行い健康的な生活リズムを作りましょう。
・気分転換、趣味を見つける
気分転換できる趣味があると、趣味に集中することで感情の起伏を和らげることができます。泣ける映画を見たり、友だちとお茶会を開くなど、溜まった感情を吐き出す環境を作ってあげましょう。
・イライラ防止につながる栄養を摂る
ビタミンC、ビタミンB1・B12、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、大豆イソフラボンなどは、ホルモンバランスや自律神経に作用してイライラを予防してくれます。
なお、これらを効率よく補給するためには、さまざまな食品を摂ることが大切です。
好き嫌いをせず、肉、魚、野菜、果物、大豆製品、乳製品、ナッツ類などを、毎日バランス良く食べましょう。
更年期障害は発症する時期や終わる時期が人によって異なります。
心から笑顔になり楽しい毎日を過ごすためにも、まずはイライラの溜まりにくい体内環境を目指してケアを始めてみましょう。